ドイツワインの種類
ドイツワインの等級には,テーブルワインの「ドイチャー・ターフェルヴァイン」,特定産地上質ワインの「クー・ベー・アー(Q.b.A)」,そして特定産地の肩書付上質ワインの「クー・エム・ペー(Q.m.P)」があります。毎日飲むのであればQ.b.Aあたりが手頃ですが,記念日のドイツワインとしては,Q.m.Pだけ考えれば良いと思います。
Q.m.PのPはプレディカーツ(肩書)のPで,Q.m.Pには次のような肩書があります。 [カビネット,シュペトレーゼ,アウスレーゼ,ベーレンアウスレーゼ,トロッケンベーレンアウスレーゼ,アイスヴァイン]
これらのプレディカーツヴァインは,地域・ぶどうの品種により最低糖度が決まっていて,さらに摘み取り時期,摘み取り方法も法律で定められています。後者の方が糖度が高くて,だんだん甘くなります。料理に合わせるのであれば甘くないカビネットでもよいのですが,酸と甘みのバランスが良いシュペトレーゼあたりがお勧めです。 リースリングで作られたワインは酸が強いためギスギスした感じになりがちで,リースリングのカビネットで記念日に相応しいものは一部の一流生産者のものに限られます。シュペトレーゼであれば,一流の生産者のものであれば酸と糖分のバランスの良くエレガントなものである可能性が高いので、記念日にはフランスの白ワインより安く,バランスの良いドイツワインのシュペトレーゼを選んではどうでしょうか。
ベーレンアウスレーゼ,トロッケンベーレンアウスレーゼについては全く別のジャンルのワインで,デザートワインに分類されます。これらの甘いワインは貴腐ワインといわれていてフランスの「ソーテルヌ」,ポーランドの「トカイ」とあわせて3大貴腐ワインと言われています。 私はドイツの貴腐ワインが一番日本人の嗜好に合っていると感じます。20〜30年過ぎたラインガウのリースリングで作られたベーレンアウスレーゼを彼女と二人で飲めば,素晴らしいワインにより二人の雰囲気は盛り上がるに違いありません。(財布は薄くなるでしょうが・・)
私が初めてワインで感動したのも,1976年のヘシッシェ・ベルクシュ・トラーセ国立醸造所のリースリング、ベーレンアウスレーゼでした。その一体となった酸と甘みのバランス,複雑さ,黄金の色を私は今も忘れることができません。
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今日のワイン
生産者:シュロス・ヨハニスベルク 生産年:1976年 地域:ラインガウ 地名:シュロス・ヨハニスベルク 等級:アウスレーゼ ぶどうの種類:リースリング 特徴:貴腐ブドウ,遅摘みを発見したと言われる,リースリング100%の非常に有名な醸造所です。シュロス・ヨハニスベルクは地名として承認されていて,畑名なしで販売されています。 なお,このワインは駅前の仙台ホテルで私の結納の時に飲んだものですが,「冷やしておいてね」とお願いしていたにもかかわらず室温でサーブされてしまいました。それ以降、私は仙台ホテルを極力使わないことにしています。
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