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レストランにワインを持ち込む
さて,明日は結婚記念日です。何かしなくてはなりません。そこで,子供を実家に預けて二人でレストランに行くことにしました。レストランは友人からおいしい店を聞いて予約し,ワインを1本1000円で持込む許可を得ました。後はワインを買うのみです。レストランでは酒店での価格の2〜3倍の価格でワインを出しているので4000円くらいのワインを買って1000円の持込み料を払うだけで,レストランで10000円以上するワインを楽しむことができます。赤,白一本づつ買うとして,白ワインはドイツワインから選んでみましょう。
私がドイツワインを選ぶ時は,まずラベルに記載されている地域を確認します。ドイツワインには11の地域※があって,私は記念日のワインとしてラインガウ,モーゼル・ザール・ルーヴァ,フランケンのワインを推薦します。 その理由は,ラインガウ,モーゼル・ザール・ルーヴァ,フランケン以外の地域でエレガントなワインと会ったことがほとんどないからです。ただし,アール,ナーエ,ミッテルライン,ヘシッシェ・ベルクシュ・トラーセ,ヴュルテンベルク,バーデンのワインは,それぞれ1,2本しか飲んだ経験がないので記念日のワインとしてお勧めでるだけの知識がないのですが,売っている酒店が少ないので考慮する必要はないでしょう。 結果して記念日のワインとしては,「ラインガウ」,「モーゼル・ザール・ルーヴァ」,「フランケン」を押さえておけば良いことになります。
まず、「ラインガウ」はフランクフルトの西の近郊にあり,エレガントで高貴なワインを生産しています。このような素晴らしいワインができる理由は,畑がライン川に沿った南向きの斜面であること,リースリングが主流であること,土壌,霧の多い気候,作り手のまじめさなどですが,とにかく私の経験ではほとんど失望したことがありません。
次に「モーゼル・ザール・ルーヴァ」はフルーティでフレッシュ,明るいワインが多いようです。特に女性には人気があります。
最後に「フランケン」はフランクフルトから東に80km東のヴュルツブルグにあり,フランスの白ワインにも匹敵する辛口でこくのあるワインを産出しています。良い生産者のものは,さらにマイルドさが出てバランスが良くなるようです。
個人的には,勝負の時にこそラインガウを試して欲しいと思います。少し変化を求めるなら,フランケンのボックスボイテルと言われる丸いボトルで彼女の関心を引くのも悪くないでしょう。彼女があまりお酒に強くなけばモーゼル・ザール・ルーヴァのシュペトレーゼを準備すれば「このワインおいしいね」と行ってくれる確率が高いと思います。
※ラインガウ,モーゼル・ザール・ルーヴァ,フランケン,アール,ミッテルライン,ナーエ,ラインヘッセン,ラインファルツ,ヘシッシェ・ベルクシュ・トラーセ,ヴュルテンベルク,バーデン
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今日のワイン
生産者:エコノミーラート・アウグスト・エー・アンホイザー・ワイン生産所(Weingut Okonomierat August E.Anheuser) 生産年:1966年 地 域:ナーエ(Nahe) 村:クロイツナッハ(Kreunznach) 畑:カヘレンベルグ(Kahelenberg) 等 級:カビネット(Cabinet)1971年まではKabinetをCabinetと書いていました。 ぶどうの種類:リースリング 特 徴:本文で「ラインガウ,モーゼル・ザール・ルーヴァ,フランケン以外の地域でエレガントなワインと会ったことがほとんどない」と書きましたが,このワインは数少ない私が飲んだナーエワインの中で最も素晴らしいワインのひとつです。1966年が私の誕生年なので購入したが,30年以上たったカビネットが生き生きとし,バランスを保っていることに驚きました。数少ない経験からナーエのワインは試してみる価値があると私は思いますが,売っている店が少ないのは残念なことです。資料によると生産者はアンホイザー家が設立した優秀なワイン生産所で,エコノミーラートとは農業顧問官の意味です。
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